先日、映画「鬼太郎誕生日 ゲゲゲの謎」を観てきました。夫は興味ないかなと思い、久しぶりに1人映画館です。
こちらの作品は原作者である水木先生の生誕100周年を記念して作られたものとのこと。
なんでこの映画をちょっと公開から時間が経っているタイミングで見に行ったかというと、実はいままで公開されていること自体知らなくて(自分の情弱さよ)、最近知ったからです。
知ったのは本当に偶然で、YouTubeのおすすめに何故か墓場鬼太郎の第1話が上がってきまして、なんとなく見てみたんですね(電気グルーヴのOPほんと好き)。そのコメント欄をみると、みなさん「ゲ謎観た後だと泣ける…」「映画知ってるとしんどい…」というコメントがたくさん。どうやら鬼太郎の映画がやっているらしい、そしてストーリーもキャラもとてもよいらしい
というような情報を得まして、妖怪もの好きだし、これは観るしかないと思いさっそく観てきました。
感想を一言でいうと、
私の好きが詰まりに詰まっていて最高だった…!そして尊すぎる映画だった…!
ありがとうYouTube、ありがとう東映さん。
以下に少々感想を書いていこうと思いますので、ネタバレ注意となります。
感想
まず、雰囲気、ストーリー、キャラクター全部好きでした。時代は昭和31年の戦後で、高度経済成長に入った頃ですね。列車の中とか、今と違って整備されていなくて汚い感じなんだけど、活気があるというかギラギラした感じが伝わってきてすごく好きでした(住みたくはないですが)。子供が咳をしていてもお構いなしにタバコを吸いまくる。今じゃ考えられないですね。あと、今回音響のいい上映を観に行ったんですけど、水木が村に来た序盤、村に響き渡る蝉の声とか臨場感がすごくて、映画館で映画を堪能するってすごく贅沢な時間時間だなーと思って観てました(この後あんな惨劇が起こるとは知らず)。1人映画ハマるかもしれません。
物語の舞台は哭倉村という外界と断絶されたような排他的な村。そこはという政財界を裏で牛耳る龍賀一族に支配されており、どことなく異様な雰囲気。そこで起こる惨たらしい一族惨殺事件。ストーリーに関しては事前情報全くなしで観に行きましたがすぐに思いました。金田一だ!横溝正史だ!と。私横溝正史の獄門島とか、そういう雰囲気やミステリーが好きなのですごくわくわくしました!序盤、時麿が出てきた時の気持ち悪い感じとか、一体これから何が起こるのか、どんな気味の悪いことが起こるのか、ワクワクがすごかったです。そして、もうそのハードルを超えてワクワクどころかどんよりするくらいの龍賀一族や村の因習も本当におぞましかったですね。妖怪出てこなくてもあの一族だけで映画一本できますからね。そこを妖怪とか裏鬼道とかと上手く絡めて、鬼太郎誕生にうまく繋げていたなと思います。見る前に墓場鬼太郎を観ていたので、こういう経緯でゲゲ郎や岩子さんの外見が変わってしまったのかということもわかってよかったです。
そしてそして、何といってもキャラクターがみんな最高。
主人公の水木は自身の戦争経験や、戦争から帰ってきた後の経験から、綺麗事主義ではなく現実主義者で、のしあがってやるという野心がある男。のしあがるためなら利用できるものは利用しようとというスタンスですが、本当は優しくて熱い男です。声優さんは木内秀信さん。木内さんといったら私は某テニス漫画のポーカーフェイス眼鏡の人の印象が強いのですが、今回はすっごく自然な演技で水木のかっこよさ、色気が爆増してましたね!
対するゲゲ郎(鬼太郎の父)は飄々として温泉大好き、妻を心から愛しているという正反対の2人。ゲゲ郎ってなんか最初そんなに感情表さないタイプなのかなと思いきや、時弥には時ちゃんと優しく語りかけ、妻を思い涙を流すという非常に愛に溢れた人物でした。序盤水木が嘘ついた時、何するんだと思ったら脱走して温泉入ってるっていう。しかも鍵はかけてないというのがやさし!と思いました。そういえば目玉のオヤジと同じ人物ですもんね、オヤジは確かにチャーミングで愛に溢れた可愛い目玉でした。声優の関さんの低すぎず高すぎず心地よい声がよかったです!ていうか、キャラデザ優勝やん。別にイケメンに描かれてないのになんであんな色気があるの。水木よりデカくてガタイがいいのも良し。あとバトルシーンカッコ良すぎた…!!
そんな2人が段々とお互いに信頼が芽生え、最後にはお互いに相棒と呼ぶ仲になるという…尊い。アイス一緒に食べたり、お酒飲んだり。水木が煙草をあげるシーンたまらんです。その分エンドロールが切なすぎて泣けました。でも鬼太郎を抱っこした時に記憶が一瞬蘇っていたので、記憶が戻って目玉になったゲゲ郎と再会していると信じています…!
龍賀一族もよかったです。特に長田とか。糸目の裏鬼道使い、そして声優は石田彰ってもう完璧。あと乙米との関係ねー鈍感な私でも流石に気付きました。ゲゲ郎が捕まった後地鳴り?がした時、長田が乙米をなんかぎゅっと支えてところで、おや?となったのですが、それ以前にも色々匂わせがあったようですねもう一回観たい…。あと時麿とかすぐ死んじゃったけど。なんで彼だけマロだったのでしょう?
観終わった後、ゲゲゲの鬼太郎6期の1話を観ました。この映画は6期の前日譚ということですので。映画観てからだと目玉のオヤジがさらに愛しく感じる…息子といれてよかったねゲゲ郎という思いになります。親父の口から、鬼太郎の育ての親は水木という人間で、そのため人間に恩返しをしているというようなセリフが出てきてじーーん。ちなみに墓場鬼太郎の方は育ての親という点は一緒ですけど、水木は地獄に落ちるという世界線です。これは映画観た後だと確かにしんどいですね。
YouTubeで色々動画観たんですけど、今Netflixでやってる同じく水木先生原作の「悪魔くん」の10話で、喫茶店のオーナーとして水木というご老人が出てるんです!目の傷や耳が欠けているところも一緒です。その回で親友の子供を育てたみたいなことを言っていて、親友という言葉にはうわー!!となりました。
映画みる前は鬼太郎の育ての親とかよく知らなかったのですが、色々知ってからだと映画の、鬼太郎の父たちの物語という「たち」という言葉がすごいぐっときます。ていうか、入場者特典を検索して拝見したんですけど、なんですかあれ、尊すぎる、見ただけで動悸がすごくなったし泣いた。なにあの幸せな世界。劇中でゲゲ郎が水木に、お主も守りたいもの?心から愛するもの?ができるはずみたいなことを言っていたけど(うろ覚えでごめんなさい)、それって、まさしく鬼太郎ってことですよね…!しんどい…
もうこれはしんどすぎるのでハピエンifの二次創作で癒されようと思い、pixivみてみたところもうほんとうに素晴らしい作品達がたくさんあって、本当にありがとうございます…!
ほんとに素晴らしい映画でした。もう一回観たい…
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